生姜湿布

生姜湿布

生姜湿布の仕方

生姜湿布とは

生姜湿布で温めているところ摩り下ろした生姜を放ったお湯にタオルを浸し、それを絞って肌を温め、痛みなどを取るお手当てです。「あらゆる痛みに生姜湿布」と昔から知られてきました。
 当院では痛みは主にびわの葉温灸で取りますが、往診先でお灸ができない環境では生姜湿布をすることもあります。
 生姜湿布はがんの骨転移の痛みをも軽減してくれます。また腹水を取るために里芋パスタをする際には直前に肌を温めるために生姜湿布を行います。


生姜湿布の仕方

生姜湿布で用意するもの

生姜湿布で用意するもの生姜湿布で用意するもの
生姜:根生姜。
大鍋あるいは金ダライ
おろし金あるいはおろし器
木綿の袋
木ベラ
軍手
超厚手ゴム手袋(園芸用など)
厚手のタオル5~6枚


生姜湿布の手順

生姜を摩り下ろします生姜を摩り下ろします
生姜を摩り下ろします。
里芋パスタの仕方のところでも述べましたが、摩り下ろすときは感謝の気持ちを持って行いましょう。


摩り下ろした生姜を巾着に入れる摩り下ろした生姜を袋に入れる
摩り下ろした生姜を木綿の袋(巾着など)に入れます。
「だしパック」や「排水口用・三角コーナー用水切りゴミ袋」などでもいいと思います。要はお湯の中に摩り下ろした生姜のかすが散らなければいいのです。


熱湯を準備します熱湯を準備します
大鍋に湯を沸かすか金ダライに80℃くらいの湯を5リットルくらい用意します。私は写真のような温度計を大鍋に固定して使っています。いちいち検温する必要がなく便利です。


巾着を絞ります巾着を絞ります
鍋の縁で巾着袋に入っているおろした生姜を木ベラなどで搾ります。


湯の温度を上げます湯の温度を上げます
湯が白っぽく濁るほど生姜を入れた巾着を絞りながら、お湯の温度を80℃くらいに上げていきます。
このとき湯は決して沸騰させないこと。沸騰させてしまうと生姜の酵素が死んでしまい効果がなくなってしまいます。
私は80℃前後の湯を使っています。70℃くらいだと肌の上のタオルが早く冷めてしまいあまり気持ちよくありません。


厚手のタオル厚手のタオルを用意厚手のタオルを用意します。二つに折った手拭いを二本重ねて縫い合わせ、ふつうの手拭いの4倍の厚さにしたものを当院では使っています。ただあまり厚みがあると力のない女性では絞りきれませんので、そのような時は厚みのあるタオルの二枚重ねくらいでいいと思います。


軍手をして手袋をはめる軍手をして手袋をはめる熱湯を扱うので手に軍手をして、その上に厚手の手袋をはめて作業します。キッチン用の薄手の手袋では火傷する恐れがあります。園芸用やDIY用の厚手の大き目の手袋をお勧めします。


タオルを熱湯に浸しますタオルを熱湯に浸すタオルを80℃前後の熱い湯の中に浸します。このとき絞りやすいように縦の長手方向にタオルをあらかじめ二つ折りにして湯に浸すと、あとで絞るとき便利です。4枚~6枚くらい使います。


タオルを絞りますタオルを絞りますタオルを絞ります。


絞ったままで患者さんのもとへ運びます絞ったまま患者さんのもとへ絞ったタオルをボウルなどに入れます。写真は大き目の金属ボウルが写っていますが木製のお盆でも構いません。両手から手袋類をはずします。



患部の脇へ置く患部の脇へ置きますタオルの入ったボウルや盆を患者さんの患部の脇に置きます。


タオルを患部に載せますタオルを患部に載せます熱いタオルに気をつけながら、絞ったタオルのねじれを解くと縦二つ折りになっています。これをさらに二つ折りにしてそれを両手のひらでパンパンと交互に叩きながら熱を冷まします。そして二つ折りを開いて縦二つ折りの状態に戻し、叩いて冷めた方の面を患部に載せます。左の写真は右乳房の上に縦二つ折りのタオルを載せたところです。

 このとき、タオルは肌にふわっと乗せます。決して押し付けてはいけません。「熱くないですか?」と聞きます。熱ければすぐ取って再度パンパンと手のひらで叩いてタオルを冷まし再び叩いたほうを肌に触れるようにしてタオルを患部に乗せます。


熱源タオル熱源タオル上の写真のように、縦二つ折りにしたタオルを2枚並べて患部を温めます。その2枚並べたタオルの上に今度は全展開したタオルを左写真のように載せます。
「しばらくすると熱くなってきます。熱さを我慢しないでくださいね。我慢してしまうと火傷してしまい、その後の手当てができなくなってしまいます」と患者さんに注意点を説明します。(しばらくして熱くなってくるのはタオルが厚いために中にこもっていた熱が出てくるからです。パンッ、パンッと手のひらで熱を中に叩き込んでいるので後から出てきます。この“熱さが持続すること”が大事なのです)


バスタオルで保温しますバスタオルで保温しますこの上にバスタオルを掛けて保温します。
 *注意:バスタオルの上にビニールシートなどを掛けてはいけません。この手当ての目的は体内から毒素を出すことですのでビニールシートなど通気性のない素材で覆ってしまいますと、体外から出した排ガスをうまく大気中に逃がせなくなりかえって逆効果です。 


肌の赤みを確かめます肌の赤みを確かめます
生姜湿布で温めている時間の目安は、肌の赤みです。十分温まって毛細血管が拡張し血行が良くなると、血管中の赤血球のため肌が赤くなります。生姜湿布ではこの肌の赤みが起きればいいのです。左写真のようにときどきタオルをめくって肌が赤くなったかを確かめましょう。赤くなったら生姜湿布の終了です。
 患者さんに掛けているタオルをすべて取り除いて、すぐさま乾いたタオルで濡れを拭きます。
 生姜湿布は生姜特有の成分と性質、および熱によって疾病部の血液循環を促進し、血液およびがん組織中の汚濁や毒性成分を患部に寄せ集め、これを中和、解毒、消毒、殺菌、解熱、浄化の作用をします。このため里芋パスタに合せて生姜湿布を行えば腹水も取れやすくなると考えています。